1歳の癇癪はなぜ起こる?原因と対応方法について!

癇癪

1歳の子どもが突然泣き叫んだり、床に倒れ込んで暴れたりする癇癪に、どう対応すればいいのかわからず途方に暮れている親御さんは多いのではないでしょうか。

「まだ1歳なのになぜ」「何がそんなに嫌なのか」と戸惑いながらも、毎日繰り返される1歳の癇癪に消耗している方もいるはずです。

癇癪は脳の発達上、避けられない成長の一部です。正しく理解することで、1歳の癇癪への対応がぐっと楽になります。

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1歳の癇癪はなぜ起こるの?

1歳の癇癪は、自我の芽生えと言葉の未発達が重なることで起こる、正常な発達の一部です。

1歳を過ぎるころから、子どもの脳の中で急激な変化が始まります。「自分でやりたい」「これが欲しい」「こうしたい」という意志や欲求が生まれ始める一方で、それを言葉で伝える力がまだほとんど育っていません。

伝えたい気持ちはあるのに、言葉が出てこない。やりたいことがあるのに、体が思い通りに動かない。このどうしようもないもどかしさが、感情の爆発=癇癪という形で現れます。

また、1歳の脳は感情をコントロールする前頭前野がまだほとんど未発達の状態にあります。怒りや悲しみを感じた瞬間に、理性でブレーキをかけることが構造的にできない状態です。つまり、1歳が癇癪を起こすのは「わがまま」でも「育て方の問題」でもなく、脳の発達段階上、避けられないことなのです。

脳科学的に見ると、前頭前野が十分に機能し始めるのは4〜5歳ごろ、完全に成熟するのは20代とも言われています。1歳が感情の爆発を止められないのは、脳の仕組みとして当然のことなのです。

さらに、1歳の子どもはまだ言葉を理解する力も十分ではないため、「ダメ」「待って」と言われても意味をうまく処理できず、拒否されたことへの混乱が癇癪につながることもあります。

癇癪は子どもが「やりたい」「伝えたい」という気持ちを持ち始めた証拠であり、成長のサインでもあります。

このように、1歳の癇癪は脳と言葉の発達が追いつかないことから生まれる、正常な発達の一部です。

次の段落では、1歳の癇癪の特徴とよくある場面を詳しく解説します。

1歳の癇癪の特徴とよくある場面

1歳の癇癪は、きっかけが小さくても突然爆発し、泣き止まない時間が長くなりやすいのが特徴です。

2歳以降の癇癪と異なり、1歳の場合はまだ「なぜ怒っているか」を自分でもわかっていないことが多く、泣き始めたらひたすら泣き続けるという状態になりやすいです。

また、親がどんなに声をかけても、何を試みても効果がないように見えることがよくあります。これは、声かけが届かないのではなく、感情の嵐の中にいて処理しきれない状態にあるためです。

1歳の癇癪がよく起きる場面

欲しいものが手に入らないとき

おもちゃが届かない、お菓子をもらえないなど、欲求が満たされない瞬間に突然爆発します。

要求が通るまで泣き続けることも多く、親が根負けしてしまうことが癇癪を強化するケースも少なくありません。

「泣けばもらえる」と学習してしまうと癇癪がさらに増えるため、ここだけは毅然と対応することが長い目で見たときの子どものためになります。

「自分でやりたい」のにできないとき

靴を自分で履こうとする、スプーンで食べようとするなど、「自分でやる」という気持ちが出始める時期です。

うまくできずに崩れ落ちる・泣き崩れるという形で癇癪が現れます。

急いでいるからと手を貸すと逆に怒る、という場面も出てきます。

この「自分でやりたい」という気持ちは、自立心と主体性の芽生えです。時間に余裕があるときは、できるだけ自分でやらせてあげることが大切です。

いつものルーティンが変わったとき

いつもと違う道を通る、いつものおもちゃがない、いつもと違う人が迎えに来るなど、子どもにとっての「いつも」が崩れたときに大きく動揺することがあります。

1歳の子どもはまだ変化への適応力が低く、予測と違う状況に強い不安を感じます。できるだけ生活のルーティンを一定に保つことが、この種の癇癪を防ぐポイントです。

眠いとき・空腹のとき

疲労や空腹は、1歳の癇癪の最大のきっかけのひとつです。

「さっきまで機嫌が良かったのに急に」という場合、たいていは眠気か空腹が積み重なっていることがほとんどです。

夕方や外出の帰り道に癇癪が増えるなら、おやつや早めの帰宅で防げることが多くあります。

親から離れなければいけないとき

後追いの時期と重なることも多く、親が視界から消えると激しく泣き叫ぶというパターンもあります。

この場合は癇癪というより分離不安に近い場合もありますが、対応の基本は同じです。

「行ってくるね、すぐ戻るよ」と声をかけてから離れることを習慣にするだけで、子どもの安心感が変わってきます。

1歳の癇癪は、突然始まり長く続きやすいという特徴を持ち、場面によってきっかけが異なります。

次の段落では、1歳の癇癪への正しい対応方法を解説します。

1歳の癇癪への正しい対応方法

1歳の癇癪への正しい対応は、安全を確保したうえで落ち着いた態度で寄り添い、感情が収まるのを待つことです。

この時期の子どもに言葉で説得しようとすることは、ほぼ効果がありません。まず「伝わる」のではなく「安心させる」ことを最優先に考えることが大切です。

癇癪が起きているときの対応

安全を確保する

頭を床に打ちつけたり、物を投げたりすることがあるため、まず周囲の危険なものを遠ざけます。

無理に止めようとするより、安全な場所を確保して見守ることが基本です。

外出先では、人の少ない場所や静かな場所に移動するだけで状況が変わることもあります。

声かけは短く・穏やかに

「大丈夫だよ」「ここにいるよ」など、短くて優しい言葉を一度だけかけます。

長々と理由を説明したり、「なんで泣くの」と問い詰めたりしても、この時期の子どもには届きません。

言葉の内容より、親の声のトーンと表情が子どもの安心感に直結します。

落ち着くまで待つ

感情の嵐には必ずピークと終わりがあります。

そばにいながら静かに待つことが、最も効果的な対応です。

「5分待てば落ち着く」と自分の中で決めておくと、親自身の焦りが減り、冷静に対応しやすくなります。

スキンシップで安心させる

子どもによっては、抱っこやそっと背中をさすることで落ち着くことがあります。

ただし、触れられることを嫌がる場合は無理に抱きしめず、近くにいるだけで十分です。

落ち着いた後に気持ちを受け止める

癇癪が収まったら、「嫌だったね」「悲しかったね」と短く気持ちを受け止めます。

1歳でもこの積み重ねが、感情を言葉で表現する力の土台になっていきます。

責めたり説教したりせず、ただ気持ちに寄り添うだけでいいのです。

やってはいけない対応

  • 怒鳴る・強く叱る(恐怖で余計に混乱する)
  • 要求をすべて叶える(癇癪で思い通りになると学習してしまう)
  • 完全に無視する(「見捨てられた」という不安を強める)
  • 長々と説教する(この時期の脳には言葉が処理できない)

1歳の癇癪への対応は、安全確保・短い言葉かけ・落ち着いて待つという流れを繰り返すことが基本です。

次の段落では、親が日頃から気をつけることを解説します。

1歳の癇癪で親が気をつけること

1歳の癇癪に向き合ううえで親が最も気をつけるべきことは、癇癪を「困った行動」ではなく「発達のサイン」として受け取り、自分自身の消耗をケアすることです。

癇癪が続く毎日は、親にとって非常に消耗することです。「何をしても泣き止まない」「なぜ泣いているかもわからない」という状態が続くと、自分の育て方が悪いのではと感じてしまうこともあるでしょう。しかし、1歳の癇癪はどんな子どもにも起こり得るものであり、親の関わり方だけが原因ではありません。

癇癪を減らすための日常の工夫

睡眠を十分に確保する

1歳に必要な睡眠時間は11〜14時間が目安とされています。

睡眠が足りていない日は癇癪が増えやすいため、就寝時間のルーティンを整えることが予防につながります。

昼寝の長さや就寝時間がバラバラになると体内リズムが乱れ、感情の調整がさらに難しくなります。毎日同じ時間に寝かせることを意識するだけで、癇癪の頻度が変わることがあります。

空腹のタイミングを作らない

外出時のおやつや食事の時間を意識するだけで、癇癪の頻度が減るケースは多くあります。

「夕方に増える」と感じるなら、夕方前に軽食を取ることを習慣にするだけで変わることがあります。

血糖値が下がると感情コントロールが難しくなるため、小まめに食事・補食を取ることが重要です。

「自分でやる」機会を作る

急いでいるときでも、少し時間に余裕を持って「自分でやらせる時間」を意識的に作ることが大切です。

「自分でできた」という成功体験が積み重なると、自己肯定感が育ち、癇癪が起きにくくなっていきます。

「上手にできたね」よりも「自分でやったね」と過程を褒めることが、この時期の子どもには特に有効です。

見通しを伝える

「もうすぐ帰るよ」「次はごはんだよ」と事前に伝えるだけで、急な切り替えによる癇癪を減らすことができます。

言葉の理解がまだ不完全でも、親の穏やかな声のトーンが子どもに安心感を与えます。

親自身が休む

癇癪への対応は、親が冷静でいるほど早く収まります。

親が追い詰められていると感情的になりやすく、癇癪が長引く原因にもなります。

家族や地域のサポートを積極的に借りながら、親自身のゆとりを保つことが、子どもへの安定した関わりの土台になります。

「完璧に対応しなければ」というプレッシャーを手放すことも、この時期を乗り越えるために大切なことのひとつです。

1歳の癇癪を「発達のサイン」として受け止め、親自身もゆとりを持って向き合うことが、この時期を乗り越える最大のポイントです。

監修

代表理事
佐々木知香

略歴

2017年 本田右志理事長より右脳記憶教育講座を指南、「JUNKK認定マスター講師」取得
2018年 幼児教室アップルキッズをリビングサロンとして開講
2020年 佐々木進学教室Tokiwaみらい内へ移転、「佐々木進学教室幼児部」として再スタート
2025年 一般社団法人 日本右脳記憶教育協会(JUNKK)代表理事に就任
塾講師として中高生の学習指導に長年携わる中で、幼児期・小学校期の「学びの土台づくり」の重要性を痛感。
結婚を機に地方へ移住後、教育情報や環境の地域間格差を実感し、「地域に根差した実践の場をつくりたい」との想いから、幼児教室アップルキッズを開校。
発達障害や不登校の支援、放課後等デイサービスでの指導、子ども食堂での学習支援など、多様な子どもたちに寄り添う教育活動を展開中。