「小学生にもなって癇癪を起こすのはおかしいのでは」と不安を感じている親御さんも少なくないのではないでしょうか。
幼児期のイヤイヤとは違い、小学生の癇癪は原因が複雑で、対応を間違えると親子関係がこじれるケースもあります。
小学生の癇癪の原因と正しい対応方法を知ることが、子どもとの関係を守り、癇癪を落ち着かせる第一歩になります。
小学生の癇癪はなぜ起こるの?
小学生の癇癪は、学校生活のストレスの蓄積・思春期前の感情の不安定さ・感情コントロールの未成熟が重なって起こります。
小学生になると「もう子どもじゃない」という見方をされることが増え、感情を外で爆発させる場面が減っていきます。しかしそれは、感情コントロールが完成したからではなく、外では抑えるようになっただけです。学校でずっと抑え続けた感情が、安心できる家で一気に解放される「帰宅後の癇癪」は、小学生に非常に多いパターンです。
感情をコントロールする前頭前野の発達は10歳ごろからようやく本格化し、完全に成熟するのは20代と言われています。小学生の段階ではまだ「わかってはいるけど止められない」という状態が続いており、感情の爆発は脳の発達上、避けられない部分があります。
また、小学校生活では勉強・友人関係・クラスのルールなど、幼児期とは比べものにならないほど多くのストレスにさらされます。テストの点数、友達との比較、先生からの評価、部活や習い事のプレッシャーなど、積み重なったストレスが家での癇癪として爆発するケースが多くあります。
さらに、小学校高学年になると思春期に差し掛かり、ホルモンバランスの変化が感情の不安定さに影響することもあります。この時期は特に、些細なことで感情が爆発しやすくなります。
小学生になっても癇癪が続く場合、発達特性が関連しているケースもありますが、定型発達の子どもでも決して珍しくありません。
このように、小学生の癇癪は学校でのストレスの蓄積と感情コントロールの未成熟が重なって起こります。
次の段落では、小学生の癇癪の特徴とよくある場面を詳しく解説します。
小学生の癇癪の特徴とよくある場面
小学生の癇癪は、帰宅後に爆発するパターンが最も多く、プライドや正義感が傷ついたときに激しくなるのが特徴です。
幼児期の癇癪と大きく違うのは、言葉で激しく言い返してくる・物に当たる・部屋に閉じこもるなど、表現の仕方が多様になることです。また、親への反発が強くなり、「うるさい」「ほっといて」という言葉が出てくることも増えてきます。
外では感情を抑えられるようになる分、家でのギャップが大きくなりやすく、「外では問題ないのに家でだけひどい」という状態が続きます。
小学生の癇癪がよく起きる場面
帰宅後に爆発するとき
学校でずっと感情を抑えてきた反動が、帰宅後に一気に出るパターンです。
ランドセルを投げる、きょうだいにあたる、些細なことで泣き叫ぶなど、帰宅直後に爆発するケースが多くあります。
帰宅後30分ほどはゆっくりさせる時間を確保するだけで、大幅に改善するケースがよくあります。
勉強・宿題への抵抗から来るとき
「わからない」「難しい」「やりたくない」という気持ちが癇癪として爆発することがあります。
学校で精一杯頑張ってきた後の宿題は、子どもにとって大きな負担です。少し休んでから取り組む順番にするだけで改善することが多くあります。
思い通りにいかないとき
テストで失敗した、スポーツで負けた、友達との関係がうまくいかないなど、「こうなるはずだった」という期待が崩れたときに爆発します。
小学生はプライドが育つ一方で、挫折への耐性はまだ十分でないため、失敗への反応が激しくなりやすいです。
不公平・理不尽さを感じたとき
「なんで自分だけ怒られるの」「あの子はいいのに」という正義感・公平感への強い反応が増えます。
頭ごなしに否定せず、まず「そう感じたんだね」と受け止めてから説明することが有効です。
きょうだいとのトラブルから来るとき
下のきょうだいへの嫉妬、「自分だけ怒られた」という不満が癇癪として出ることがあります。
この場合も、きょうだいへの対応より先に、癇癪を起こしている子の気持ちを受け止めることが最優先です。
友人関係のトラブルの後
仲間外れにされた、悪口を言われた、グループから外れたなど、友人関係のトラブルが帰宅後の癇癪として出るケースが増えます。
小学生は友人関係が重要になる時期であり、そのストレスが家での癇癪として出やすいことを知っておくことが大切です。
小学生の癇癪は学校でのストレスと複雑な感情が引き金になっており、帰宅後の行動に注目することが対応の鍵になります。
次の段落では、小学生の癇癪への正しい対応方法を解説します。
小学生の癇癪への正しい対応方法
小学生の癇癪への正しい対応は、プライドを傷つけず感情を受け止め、落ち着いてから一緒に原因と解決策を考えることです。
幼児期の癇癪と違い、小学生になると「正論で言い負かそうとする」「感情的に怒鳴る」といった対応は特に逆効果になります。プライドが傷つくと余計に感情が爆発し、親子関係までこじれることがあります。
癇癪中の対応
感情を否定しない
「もう小学生なんだから」「そんなことで怒らないの」という言葉はプライドを傷つけ、癇癪を悪化させます。
「疲れてたんだね」「悔しかったんだね」と感情を受け止めることが最初のステップです。
一人になれる場所を作る
小学生は「一人で落ち着きたい」という気持ちが強くなります。
「落ち着いたら話そう」と伝えて、本人が落ち着くまで少し距離を置くことが有効です。無理に部屋に入ったり、話しかけ続けたりすることは逆効果になることが多いです。
落ち着いた後に話を聞く
感情が落ち着いたら「今日何があったの?」と話を聞く場を作ります。
このとき、すぐにアドバイスや解決策を言うのではなく、まず子どもの話を最後まで聞くことが大切です。
「それは嫌だったね」「それは悔しかったね」と共感してから、必要であれば一緒に解決策を考えます。
原因を一緒に整理する
落ち着いた後に「何が一番嫌だったの?」「どうしたらよかったと思う?」と一緒に整理します。
小学生はある程度自分で考えられる年齢になっているため、答えを与えるより一緒に考える姿勢が有効です。
小学生の癇癪への対応は、プライドを傷つけず感情を受け止め、落ち着いてから一緒に原因を整理する流れが基本です。
次の段落では、小学生の癇癪で親が気をつけることを解説します。
小学生の癇癪で親が気をつけること
小学生の癇癪で最も気をつけるべきことは、「もう小学生なのに」という視線を手放し、学校でどれほど頑張っているかを理解して関わることです。
小学校生活は、子どもにとって毎日が緊張とストレスの連続です。授業中は集中し、友達と上手く関わり、ルールを守り、先生の指示に従う。それを毎日何時間も続けて帰ってくるのです。家で爆発するのは、それだけ外で頑張っているからこそです。
日常で癇癪を減らすための工夫
帰宅後のリセット時間を確保する
帰宅後30分ほどは、宿題や次の行動を求めずゆっくりさせる時間を作ります。
おやつを食べながら好きなことをさせるなど、学校モードから切り替えるリセット時間が、帰宅後の癇癪を大幅に減らします。
毎日話を聞く場を作る
「今日どうだった?」「楽しかったこと・嫌だったことある?」と日常的に話せる場を作ります。
小さな感情を毎日少しずつ発散できていると、大きな癇癪として爆発しにくくなります。
感情を言語化する力を育てる
「悔しい」「恥ずかしい」「モヤモヤする」「不安」など、感情を表す言葉を日常会話の中で使う機会を増やします。
感情に言葉をつけられるようになると、癇癪の代わりに言葉で伝えられる場面が増えていきます。
癇癪の後に責めない
癇癪が収まった後に「なんであんなことしたの」と責めると、子どもは自己否定感が強まり、次の癇癪がさらに激しくなることがあります。
「落ち着いたね、次は言葉で教えてね」と前向きに締めくくることが大切です。
発達特性の可能性も視野に入れる
小学生になっても癇癪が頻繁で、学校生活に大きな支障が出ている場合は、発達特性が関連している可能性も視野に入れることが大切です。
かかりつけの小児科や発達外来、学校のスクールカウンセラーへの相談を検討してみましょう。相談することで、その子に合ったサポートが見えてきます。
小学生の癇癪は、一生懸命頑張っているからこそ起きるものです。この時期の安心できる家での関わりが、子どもの感情コントロール力と自己肯定感の土台を作っていきます。
監修

略歴
| 2017年 | 本田右志理事長より右脳記憶教育講座を指南、「JUNKK認定マスター講師」取得 |
|---|---|
| 2018年 | 幼児教室アップルキッズをリビングサロンとして開講 |
| 2020年 | 佐々木進学教室Tokiwaみらい内へ移転、「佐々木進学教室幼児部」として再スタート |
| 2025年 | 一般社団法人 日本右脳記憶教育協会(JUNKK)代表理事に就任 |



