夜驚症の原因とは?引き起こす要因と予防について

夜驚症

子どもの夜驚症が続いているとき、「なぜこんなに頻繁に起きるのか」「何が原因なのか」と頭を悩ませている親御さんは多いのではないでしょうか。

「疲れているせいなのか」「ストレスなのか」「何か病気が隠れているのか」と、原因を特定できないまま不安が続くことも少なくありません。

夜驚症の原因を知ることで、日常生活のどこを改善すれば発作を減らせるかが見えてきます。

夜驚症の原因を正しく理解することが、予防と対応の両方に役立つ知識になります。

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夜驚症の原因は何なの?

夜驚症の根本的な原因は、深いノンレム睡眠から次の睡眠段階へ移行するときに脳が中途半端に覚醒してしまうことです。

通常、睡眠はノンレム睡眠(深い眠り)とレム睡眠(浅い眠り)を交互に繰り返しながら進んでいきます。この睡眠段階の切り替えがスムーズにいかず、深いノンレム睡眠の途中で脳の一部だけが中途覚醒した状態になるのが夜驚症の正体です。

このとき、脳は完全に覚醒しているわけでも、完全に眠っているわけでもない「中間の状態」になります。意識はないのに体と感情だけが強く反応するため、泣き叫ぶ・暴れるという激しい行動として現れます。

なぜこの中途覚醒が起きやすいのかは、睡眠不足・疲労・ストレス・発熱・遺伝的要因など複数の要因が絡み合っています。

子どもは大人と比べて深いノンレム睡眠の割合が大きく、睡眠段階の移行が不安定になりやすいため、夜驚症が子どもに多く見られる理由のひとつになっています。

このように、夜驚症の原因はノンレム睡眠から次の段階への移行が中断されることであり、その背景にはさまざまな要因が重なっています。

次の段落では、夜驚症を引き起こしやすい要因を詳しく解説します。

夜驚症を引き起こしやすい要因

夜驚症を引き起こしやすい主な要因は、睡眠不足・疲労の蓄積・精神的ストレス・発熱・遺伝の5つです。

これらの要因が単独または重なって作用することで、睡眠段階の移行がうまくいかなくなり、夜驚症が起きやすくなります。

睡眠不足・疲労の蓄積

睡眠不足は夜驚症の最も一般的な引き金です。

睡眠が不足すると、脳は失われた深い睡眠を取り戻そうとして、最初の睡眠サイクルで急激に深いノンレム睡眠に入ります。この急激な移行が、睡眠段階の切り替えを不安定にして夜驚症を起こしやすくします。

「いつもより遅く寝た日」「日中に激しく活動して疲れ果てた日」の夜に夜驚症が増えるのは、このメカニズムによるものです。

就寝時間を一定にして年齢に合った十分な睡眠を確保することが、最も基本的な予防策になります。

精神的なストレス・不安

入園・入学・引越し・きょうだいの誕生など、環境の大きな変化や日常のストレスが夜驚症の引き金になります。

日中に感じた不安や緊張が脳に持ち越され、睡眠中の段階移行を乱すと考えられています。

環境が変わったタイミングで夜驚症が増えた場合は、日中の関わりをより安心できるものにすることが予防につながります。

発熱・体調不良

発熱があると体の炎症反応が脳に影響し、睡眠のリズムが乱れやすくなります。

体調不良の時期に夜驚症が増えることは多く、体調が回復すれば自然と落ち着くことがほとんどです。

発熱中は特に睡眠環境を整え、体への負担を減らすことが大切です。

遺伝的な要因

夜驚症は家族内で見られることが多く、遺伝的な傾向があることが研究で示されています。

親や兄弟姉妹に夜驚症・夢遊病・寝言が多かった場合、子どもにも同様の傾向が出やすいことがあります。

遺伝的な傾向がある場合でも、睡眠環境と生活リズムを整えることで発作の頻度を減らすことは十分に可能です。

膀胱の充満・外部刺激

就寝時に膀胱が満杯の状態は、睡眠中の不快感から脳が中途覚醒するきっかけになることがあります。

また、大きな音・強い光・体への接触など外部からの刺激が引き金になるケースもあります。

就寝前のトイレと、静かで暗い寝室環境の確保が予防につながります。

発達特性の影響

ASD・ADHDなどの発達特性がある子どもは、感覚過敏・睡眠リズムの乱れ・不安の強さといった特性から睡眠の質が低下しやすく、夜驚症が起きやすい傾向があります。

発達特性が関連している場合は、感覚環境の調整や専門家への相談が有効です。

このように、夜驚症を引き起こしやすい要因は睡眠不足・ストレス・発熱・遺伝・外部刺激・発達特性の6つが主なものです。

次の段落では、年齢別の夜驚症が起きやすい時期と原因を解説します。

年齢別・夜驚症が起きやすい時期と原因

夜驚症が最も多く見られるのは2〜6歳の時期であり、年齢ごとに起きやすい原因のパターンが異なります。

子どもの脳と睡眠の発達は年齢によって異なるため、夜驚症の起きやすさとその背景も年齢によって変わってきます。

1歳の夜驚症

1歳の時期は、深いノンレム睡眠の割合が特に大きく、睡眠段階の移行が未熟なため夜驚症が起きやすい時期です。

後追いや分離不安が強くなる時期でもあり、日中の不安やストレスが睡眠に影響することがあります。

また、昼寝のパターンが変化する時期でもあり、睡眠リズムの乱れが夜驚症につながることがあります。

2〜3歳の夜驚症

2〜3歳は夜驚症のピークとされており、最も多く見られる時期です。

イヤイヤ期の自我の発達・言葉のもどかしさ・入園前後の環境変化など、精神的なストレスが多い時期と重なることが主な原因です。

「最近始まった」という相談が最も多い年齢層であり、適切な睡眠管理が特に重要な時期です。

4〜6歳の夜驚症

4〜6歳になると言語が発達し、日中のストレスを言葉で発散できるようになるため、徐々に夜驚症が落ち着く子が増えてきます。

一方、入園・入学・クラス替えなどの環境変化のタイミングで一時的に増えることがあります。

「治まっていたのにまた始まった」という場合は、環境の変化やストレスが原因であることが多いです。

小学生以降の夜驚症

小学生になっても夜驚症が続く場合は、学校でのストレス・睡眠不足・発達特性が関連していることが多くなります。

この年齢で頻繁に続く場合は、小児科や睡眠外来への相談を検討する価値があります。

このように、夜驚症は2〜6歳がピークであり、年齢ごとにストレスの内容や脳の発達段階が異なることが原因のパターンに影響します。

次の段落では、夜驚症の原因から考える予防策を解説します。

夜驚症の原因から考える予防策

夜驚症の原因に基づいた最も効果的な予防策は、十分な睡眠の確保・就寝前の環境づくり・日中のストレス軽減の3つを日常的に整えることです。

「発作が起きてから対応する」だけでなく、原因となる要因を日常から取り除いておくことで、夜驚症の頻度を根本から減らすことができます。

睡眠時間と就寝時間を一定にする

年齢に合った睡眠時間を毎日確保し、就寝時間をできるだけ一定に保ちます。

1〜2歳は11〜14時間、3〜5歳は10〜13時間、6〜12歳は9〜11時間が目安です。

「週末に夜ふかしする」「休みの日は昼まで寝る」といった生活リズムの乱れが、翌週の夜驚症を増やすことがあります。

就寝前の過ごし方を整える

就寝前1時間はテレビ・スマートフォン・激しい遊びを避け、静かに過ごす時間にします。

毎日同じ流れで就寝準備をすることで、脳が「眠る時間」を認識しやすくなり、睡眠の質が上がります。

寝室環境を整える

寝室を暗く・静かに・快適な温度に保つことで、睡眠の深さと安定性が高まります。

感覚過敏がある場合は、音・光・寝具の素材など気になる刺激をできるだけ取り除くことが有効です。

就寝前にトイレに行く習慣をつける

膀胱の充満が引き金になるケースを防ぐため、就寝直前にトイレに行く習慣をつけます。

小さな工夫ですが、夜驚症の予防に効果が報告されています。

日中のストレスを発散させる

帰宅後にゆっくりできる時間を作る、就寝前に今日の出来事を話す時間を持つなど、日中の感情や緊張を発散させることが睡眠の安定につながります。

環境が変わった時期は特に意識して、安心できる関わりを増やすことが大切です。

夜驚症の原因となる要因を日常から取り除くことが、最も根本的な予防策であり子どもの睡眠を守ることにつながります。

監修

代表理事
佐々木知香

略歴

2017年 本田右志理事長より右脳記憶教育講座を指南、「JUNKK認定マスター講師」取得
2018年 幼児教室アップルキッズをリビングサロンとして開講
2020年 佐々木進学教室Tokiwaみらい内へ移転、「佐々木進学教室幼児部」として再スタート
2025年 一般社団法人 日本右脳記憶教育協会(JUNKK)代表理事に就任
塾講師として中高生の学習指導に長年携わる中で、幼児期・小学校期の「学びの土台づくり」の重要性を痛感。
結婚を機に地方へ移住後、教育情報や環境の地域間格差を実感し、「地域に根差した実践の場をつくりたい」との想いから、幼児教室アップルキッズを開校。
発達障害や不登校の支援、放課後等デイサービスでの指導、子ども食堂での学習支援など、多様な子どもたちに寄り添う教育活動を展開中。