夜驚症は愛情不足が原因なの?正しい原因と親ができること

夜驚症

子どもの夜驚症が続くとき、「自分の育て方が悪いのでは」「愛情が足りていないせいなのでは」と自分を責めてしまっている親御さんは多いのではないでしょうか。

毎晩発作が続く中で罪悪感が積み重なり、育児に自信を失ってしまっている方もいるはずです。

夜驚症と愛情不足の関係を正しく知ることで、必要のない罪悪感を手放し、本当に必要な対応に集中できるようになります。

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夜驚症は愛情不足が原因なの?

夜驚症は愛情不足が原因で起きるものではなく、脳と睡眠の発達段階における生理的な現象です。

夜驚症の医学的な原因は、深いノンレム睡眠から次の睡眠段階へ移行する際に、脳が中途半端に覚醒してしまうことです。

これは脳の神経系の発達が未成熟な幼児期に起きやすい現象であり、親の愛情の量や育て方とは直接関係がありません。

世界中のあらゆる文化・家庭環境・育て方の子どもに夜驚症は起きており、愛情豊かな親のもとで育つ子どもにも同じように発症します。

夜驚症の有病率は子どもの約3〜6%とされており、特定の育て方や愛情の問題によって起きるものではないことが医学的に明らかになっています。

「愛情をたっぷり注いでいるのに夜驚症が起きる」「厳しい家庭でも夜驚症がない子もいる」という事実が、愛情不足と夜驚症に因果関係がないことを示しています。

夜驚症があるということは、「愛情が足りない親」の証拠ではなく、「子どもの脳が発達の途中にある」という証拠です。

毎晩の発作に対応しながら「自分のせいかもしれない」と感じている親御さんに、まずはっきりとお伝えしたいのは、夜驚症はあなたのせいではないということです。

このように、夜驚症は愛情不足が原因ではなく、脳と睡眠の発達段階における生理的な現象です。

次の段落では、夜驚症の本当の原因を詳しく解説します。

夜驚症の本当の原因とは

夜驚症の本当の原因は、睡眠不足・疲労の蓄積・精神的ストレス・発熱・遺伝的傾向という5つの要因が重なることです。

これらはいずれも「愛情不足」とは無関係であり、どんなに愛情深い家庭でも起きうる要因ばかりです。

「なぜ夜驚症が起きるのか」を正しく理解することで、罪悪感から解放されるだけでなく、具体的な予防策も見えてきます。

睡眠不足・疲労の蓄積

睡眠が不足している日や、日中に激しく活動して疲れ果てた日に夜驚症が起きやすくなります。

睡眠不足になると深いノンレム睡眠への移行が急激になり、睡眠段階の切り替えが不安定になります。

「いつもより夜ふかしした日の夜に発作が起きた」「遠足の後の夜に起きた」というパターンは、この睡眠不足・過疲労が原因であることがほとんどです。

これは愛情不足とは無関係であり、就寝時間を整えるだけで改善できる要因です。

精神的なストレス・環境の変化

入園・入学・引越し・きょうだいの誕生など、環境の大きな変化が夜驚症の引き金になることがあります。

これは愛情が足りないからではなく、子どもが新しい環境に適応しようと日中に大きなエネルギーを使っているからこそ起きることです。

ストレスの多い時期に夜驚症が増えるのは、子どもが外で一生懸命頑張っているサインでもあります。

「入園してから始まった」「引越しの後に増えた」という場合は、子どもが新しい環境に適応しようとしている証拠として受け取ることができます。

発熱・体調不良

発熱があると体の炎症反応が脳に影響し、睡眠のリズムが乱れやすくなります。

体調が回復すれば自然と落ち着くことがほとんどです。

発熱中に夜驚症が起きるのも、愛情不足とは一切関係がなく、体の生理的な反応によるものです。

遺伝的な要因

夜驚症は家族内で見られることが多く、遺伝的な傾向があることが報告されています。

親や兄弟姉妹に夜驚症・夢遊病の経験がある場合、子どもにも同様の傾向が出やすいことがあります。

これは育て方ではなく、生まれつきの脳の特性によるものです。

「自分も子どものころ似たようなことがあった」という親御さんは、遺伝的な傾向があることを知っておくだけで、発作に対して慌てずに対応できるようになります。

このように、夜驚症の本当の原因は睡眠不足・疲労・ストレス・発熱・遺伝という生理的・環境的な要因であり、愛情不足とは無関係です。

次の段落では、愛情不足が睡眠に与える影響について解説します。

愛情不足が睡眠に与える影響

愛情不足は夜驚症の直接的な原因ではありませんが、慢性的な愛情不足や安心感の欠如は、子どもの睡眠全体の質に影響することがあります。

「愛情不足が夜驚症を引き起こす」という医学的な根拠はありません。

しかし、愛情や安心感が睡眠の質と無関係かというと、そうでもありません。

子どもは安心できる環境でこそ深く眠ることができます。

日常的に不安や緊張を感じている状態が続くと、睡眠全体の質が下がりやすくなることが知られています。

ただし、これは「愛情不足が夜驚症を引き起こす」ということではなく、「安心感のある環境が睡眠の質を支える」ということです。

この2つは似ているようで、全く意味が違います。

夜驚症が起きることを「愛情不足のせい」と考えるのは誤りです。しかし、「日頃のスキンシップや安心感を増やすことが睡眠の安定につながる」というのは事実です。

毎晩の発作に対応しながら消耗している親御さんは、すでに十分に子どもに向き合っています。

発作が起きること自体を「愛情不足の証拠」と受け取る必要はまったくありません。

むしろ、「夜驚症があっても自分は子どもを愛している」「発作は脳の発達上のことであり自分のせいではない」と理解することが、親自身の安心感につながります。

親が安心していることが、子どもの安心感を育て、睡眠の安定にもつながっていきます。

このように、愛情不足は夜驚症の直接原因ではありませんが、日頃の安心感と安定した環境が睡眠の質を支えることは事実です。

次の段落では、夜驚症が続くときに親ができることを解説します。

夜驚症が続くときに親ができること

夜驚症が続くときに親ができる最も大切なことは、自分を責めることをやめ、睡眠環境と生活リズムを整えることに集中することです。

「愛情が足りないから」という罪悪感を手放すことが、親自身の心の余裕を生み、子どもへの安定した関わりの土台になります。

罪悪感を持ちながら対応を続けることは、親の消耗を加速させるだけでなく、子どもへの対応にも影響します。

「これは私のせいではない、脳の発達段階のことだ」と知ることが、発作への対応を落ち着かせる最初の一歩になります。

発作中にできること

安全を確保して静かに見守る

発作中は無理に起こさず、安全を確保しながら静かに近くにいます。

「大丈夫だよ」と短く穏やかに声をかけ、自然に落ち着くのを待つだけで十分です。

親が落ち着いていることが、子どもの脳に安心感を伝える最も効果的な方法です。

翌朝は特に触れない

子どもに記憶はないため、翌朝に発作のことを話す必要はありません。

「昨夜大変だったね」と親が不安そうに話しかけることが、逆に子どもの不安を高めることがあります。

いつも通りに接することが、子どもの安心感を保つ最善の対応です。

日常でできること

十分な睡眠時間を確保する

年齢に合った睡眠時間を毎日確保し、就寝時間を一定に保つことが最も基本的な予防策です。

夜驚症が多い時期は、普段より30分早く就寝させるだけで改善するケースが多くあります。

就寝前のルーティンを整える

お風呂→歯磨き→絵本→消灯という流れを毎日同じにすることで、脳が「眠る時間」を認識しやすくなります。

就寝前は刺激の少ない静かな過ごし方を意識し、テレビや激しい遊びは就寝1時間前までに終わらせましょう。

日中の安心感を育てる

スキンシップ・一緒に遊ぶ時間・子どもの話をしっかり聞くことなど、日中の安心感を積み重ねることが睡眠の安定につながります。

これは「愛情不足を補う」ためではなく、子どもの脳と心を安定させるための関わりとして意識することが大切です。

帰宅後にゆっくりできる時間を確保する、就寝前に今日の出来事を穏やかに話す機会を持つなど、小さな安心の積み重ねが夜の睡眠を安定させます。

親自身の罪悪感を手放す

夜驚症は育て方の問題ではありません。

「発作が起きるのは自分のせい」という罪悪感を手放すことが、親の心の余裕を生み、子どもへの穏やかな関わりを続けるための最も重要な一歩です。

罪悪感を持ち続けることは、親自身を消耗させるだけでなく、子どもへの関わりにも影響します。

「これは脳の発達段階のことであり、誰のせいでもない」と繰り返し自分に伝えることが、育児を続けるための大切なセルフケアになります。

専門家への相談も選択肢に入れる

夜驚症が頻繁に続く・発作が長い・日中の生活に支障が出ているという場合は、かかりつけの小児科への相談を検討しましょう。

「こんなことで相談していいのか」と思う必要はありません。

専門家に相談することで、「これは正常な範囲」という安心を得られることもあれば、より適切なサポートにつながることもあります。

夜驚症が続くときに親ができる最も大切なことは、罪悪感を手放して睡眠環境と生活リズムを整えることに集中することです。

監修

代表理事
佐々木知香

略歴

2017年 本田右志理事長より右脳記憶教育講座を指南、「JUNKK認定マスター講師」取得
2018年 幼児教室アップルキッズをリビングサロンとして開講
2020年 佐々木進学教室Tokiwaみらい内へ移転、「佐々木進学教室幼児部」として再スタート
2025年 一般社団法人 日本右脳記憶教育協会(JUNKK)代表理事に就任
塾講師として中高生の学習指導に長年携わる中で、幼児期・小学校期の「学びの土台づくり」の重要性を痛感。
結婚を機に地方へ移住後、教育情報や環境の地域間格差を実感し、「地域に根差した実践の場をつくりたい」との想いから、幼児教室アップルキッズを開校。
発達障害や不登校の支援、放課後等デイサービスでの指導、子ども食堂での学習支援など、多様な子どもたちに寄り添う教育活動を展開中。