癇癪と食べ物の関係とは?原因になる食品と改善する食事について!

癇癪

「食事の後に癇癪がひどくなる」「甘いものを食べた日は感情が不安定になる」と感じている親御さんは多いのではないでしょうか。

実は、癇癪と食べ物の間には無視できない関係があり、日々の食事内容が子どもの感情の安定に大きく影響することがわかっています。

癇癪と食べ物の関係を正しく知ることで、毎日の食事から子どもの感情を整えるアプローチができるようになります。

スポンサーリンク

癇癪と食べ物は関係があるの?

癇癪と食べ物には明確な関係があり、血糖値の急激な変動・腸内環境の乱れ・栄養不足が感情の不安定さに直結することがわかっています。

脳は全身のエネルギーの約20%を消費する器官であり、血糖値が下がると脳のエネルギーが不足し、感情のコントロールが難しくなります。

特に子どもの脳は大人よりもエネルギーの消費量が大きく、血糖値の変動の影響を受けやすいため、食事内容が感情に与える影響は大人以上です。

「空腹のとき特に癇癪がひどい」「食後しばらくすると荒れやすい」という場合は、血糖値の変動が深く関わっている可能性があります。

また、近年の研究では「腸脳相関」と呼ばれる腸と脳のつながりが注目されています。

腸内環境が乱れると、幸福感や感情の安定に関わるセロトニンの産生が減少し、感情が不安定になりやすくなります。

セロトニンの約90%は腸で作られており、腸の状態が感情に直接影響することが明らかになっています。

さらに、鉄・亜鉛・マグネシウム・ビタミンB群などの栄養素が不足すると、脳の神経伝達物質のはたらきが低下し、感情コントロールが難しくなることもわかっています。

「食べたら落ち着く」「空腹になると荒れる」という現象は、偶然ではなく食べ物と感情の明確なつながりから起きています。

食事を整えることは、薬を飲ませるような劇的な変化ではありませんが、積み重ねることで子どもの感情の底上げにつながります。

「なぜうちの子はこんなに癇癪が多いのか」と悩む前に、毎日の食事を見直すことが、意外と大きな改善のきっかけになることがあります。

このように、癇癪と食べ物の間には血糖値・腸内環境・栄養素という3つの経路で明確な関係があります。

次の段落では、癇癪を引き起こしやすい食べ物について詳しく解説します。

癇癪を引き起こしやすい食べ物

癇癪を引き起こしやすい食べ物は、血糖値を急激に上げる糖質・食品添加物・腸内環境を乱す食品の3つに大きく分けられます。

これらの食品を「完全にやめる」必要はありませんが、頻度を減らすだけで癇癪の頻度が改善するケースは少なくありません。

「ダメなものは一切食べさせない」という完璧主義ではなく、「できる範囲で減らしていく」という視点で取り組むことが長続きのコツです。

血糖値を急激に上げる食べ物

白砂糖を多く含むお菓子・ジュース・菓子パン・チョコレートなどは、食べた直後に血糖値を急激に上昇させます。

血糖値が急上昇すると、インスリンが大量に分泌されて今度は急激に血糖値が下がります。

この「血糖値スパイク」と呼ばれる急な上下が、感情の不安定さやイライラ・集中力の低下を引き起こします。

「甘いものを食べた後に癇癪がひどくなる」というパターンは、この血糖値スパイクが原因である可能性が高いです。

白米・うどん・食パンなど精製された炭水化物も、食物繊維が少ない分、血糖値を上げやすい食品です。

一気に全部やめる必要はなく、「スナック菓子をバナナに変える」「白米に雑穀を混ぜる」といった小さな変化から始めることが現実的です。

また、おやつのタイミングも重要です。食事との間隔が長く空いた状態でジュースや甘いお菓子を与えると、血糖値が急上昇しやすくなります。

食品添加物

人工着色料・保存料・人工甘味料・化学調味料などの食品添加物が、一部の子どもの感情や行動に影響を与えることが報告されています。

特に「タートラジン(黄色4号)」などの人工着色料は、欧州では多動や感情不安定との関連を示す研究を受けて、使用に警告表示が義務付けられています。

すべての子どもに当てはまるわけではありませんが、添加物の多い加工食品・スナック菓子・着色された飲料を控えることが、感情安定のひとつの手がかりになります。

「なんでこの日は特に癇癪がひどかったのか」を振り返ると、添加物の多い食品を食べていた日と重なることがあります。

原材料表示を見る習慣をつけることで、添加物の多い食品を自然と避けられるようになっていきます。

腸内環境を乱す食べ物

高脂肪・高糖質の食事・加工食品の多い食事は、腸内の善玉菌を減らして腸内環境を乱す原因になります。

腸内環境が乱れると、セロトニンの産生が減少し、感情の安定が損なわれます。

また、食物繊維が少ない食事は腸内の善玉菌のエサが不足するため、腸内環境の悪化につながります。

便秘がちな子どもや、ファストフードが多い食生活の子どもは、腸内環境の乱れから感情が不安定になりやすいケースも見られます。

「うちの子は便秘気味だ」「野菜をほとんど食べない」という場合、腸内環境の改善が癇癪減少の突破口になることがあります。

このように、血糖値を急激に上げる食品・食品添加物・腸内環境を乱す食品が、癇癪を引き起こしやすい食べ物です。

次の段落では、癇癪を改善する食べ物・栄養素について解説します。

癇癪を改善する食べ物・栄養素

癇癪を改善する食べ物は、血糖値を安定させる食品・腸内環境を整える食品・脳の神経伝達物質をサポートする栄養素を含むものです。

「何を食べさせればいいか」で迷う前に、「何を減らすか」と「何を増やすか」をセットで考えることが大切です。

「完璧な食事」を目指す必要はなく、今の食事に少し加えるという視点で取り組むことが長続きのコツです。

血糖値を安定させる食べ物

玄米・全粒粉パン・さつまいも・豆類など食物繊維が豊富な炭水化物は、血糖値の上昇がゆるやかで、感情の安定につながります。

おやつも、チョコレートやグミの代わりに、バナナ・ゆで卵・チーズ・小魚・ナッツなど血糖値を急上昇させにくい食品を選ぶことが有効です。

食事の最初に野菜や汁物を食べる「食べる順番」を工夫するだけでも、血糖値の急上昇を抑えることができます。

「最初に野菜スープを食べてからご飯」という順番に変えるだけで、血糖値の上がり方が緩やかになります。

すべての炭水化物を玄米に変えるのが難しければ、白米に少し雑穀を混ぜるだけでも食物繊維が増えて血糖値の上がり方が変わります。

腸内環境を整える食べ物

ヨーグルト・味噌・納豆・ぬか漬けなどの発酵食品は、腸内の善玉菌を増やす効果があります。

野菜・きのこ・海藻・豆類などの食物繊維も、善玉菌のエサとなり腸内環境を整えます。

腸内環境が整うと、セロトニンの産生が安定し、感情が落ち着きやすくなります。

毎日の食事に味噌汁・納豆・ヨーグルトを取り入れるだけで、腸内環境は少しずつ改善していきます。

3つすべてを一度に取り入れるのが難しければ、まず味噌汁を毎日の習慣にするだけでも変化が出ることがあります。

脳をサポートする主な栄養素

鉄が不足すると感情の不安定さや集中力の低下につながります。

赤身の肉・レバー・小松菜・ひじきなどから補うことができます。

ビタミンCと一緒に摂ると吸収率が上がるため、果物や野菜と組み合わせることが有効です。

幼児期は成長に伴い鉄の需要が高い時期でもあり、偏食の多い子どもは特に不足しやすい栄養素です。

亜鉛

神経伝達物質の合成に必要な栄養素です。

牡蠣・牛肉・ナッツ類・豆類などに含まれています。

偏食の多い子どもは特に不足しやすいため意識して取り入れましょう。

亜鉛が不足すると味覚が鈍くなり、さらに偏食が進む悪循環につながることもあります。

マグネシウム

感情の安定やストレス軽減に関わるミネラルです。

ナッツ・バナナ・ほうれん草・豆腐・玄米などに多く含まれています。

現代の食生活では不足しがちな栄養素のひとつであり、糖質の多い食事が続くと消費量が増えるため注意が必要です。

ビタミンB群

神経系の機能を支え、感情の安定に欠かせない栄養素です。

豚肉・卵・大豆・のりなどから摂ることができます。

加工食品の多い食事ではビタミンB群が消費されやすいため、白米より雑穀・玄米を選ぶことも有効です。

DHA・EPA

青魚に含まれるオメガ3脂肪酸は、脳の神経機能をサポートし、感情の安定に役立ちます。

サバ・いわし・さんまなどを週2〜3回取り入れることが理想です。

缶詰を使うと手軽に取り入れられ、サバ缶の味噌煮などは食べやすく子どもにも受け入れてもらいやすいです。

このように、血糖値を安定させ腸内環境を整える食品と、脳をサポートする栄養素を意識した食事が、癇癪の改善につながります。

次の段落では、食事以外で癇癪を減らす日常の工夫を解説します。

食事以外で癇癪を減らす日常の工夫

食事の改善と並行して、睡眠・生活リズム・親の関わり方を整えることが、癇癪を根本から減らすために不可欠です。

食べ物だけで癇癪がすべて解決するわけではなく、食事は感情安定の「土台」のひとつです。

食事を整えながら、日常の環境も合わせて見直すことで、より大きな効果が出ます。

食事のタイミングを整える

空腹になるたびに血糖値が下がり、癇癪のリスクが高まります。

3食を規則正しく食べることに加えて、間食のタイミングも一定にすることで、血糖値を安定した状態に保てます。

「夕方になると癇癪が増える」という場合、おやつの時間と内容を見直すだけで大きく改善するケースがあります。

外出時は血糖値が下がりやすいため、必ずおやつを持参する習慣をつけることが有効です。

「今日はおやつを忘れた日ほど癇癪がひどかった」という気づきが、食事と癇癪の関係を実感するきっかけになることがよくあります。

睡眠を十分に確保する

睡眠不足は、どんなに食事を整えても感情コントロールを難しくします。

睡眠中に脳は疲労を回復し、感情の調整機能をリセットするため、十分な睡眠なしには食事の効果も半減します。

年齢に合った十分な睡眠時間を確保することが、食事と並ぶ感情安定の最も基本的な土台です。

水分を十分に摂る

脱水状態は集中力や感情の安定を損なう原因になります。

子どもは体重に対する水分量の割合が大きく、少し水分が不足するだけで感情に影響が出やすいです。

日頃から水・麦茶など糖分の少ない飲み物を十分に摂る習慣をつけましょう。

ジュースは血糖値を上げやすいため、水分補給には不向きです。

感情を受け止める関わりを続ける

食事で感情の土台を整えながら、癇癪が起きたときに「悔しかったんだね」「嫌だったんだね」と感情を受け止める関わりを続けることが大切です。

食事の改善は「体からのアプローチ」、感情を受け止める関わりは「心からのアプローチ」です。

この両輪を整えることが、癇癪を根本から減らすための最も効果的なアプローチです。

「食事を変えたら癇癪が減った」という実感が出てきたとき、子どもへの見方が変わり、育児全体が少し楽になっていきます。

監修

代表理事
佐々木知香

略歴

2017年 本田右志理事長より右脳記憶教育講座を指南、「JUNKK認定マスター講師」取得
2018年 幼児教室アップルキッズをリビングサロンとして開講
2020年 佐々木進学教室Tokiwaみらい内へ移転、「佐々木進学教室幼児部」として再スタート
2025年 一般社団法人 日本右脳記憶教育協会(JUNKK)代表理事に就任
塾講師として中高生の学習指導に長年携わる中で、幼児期・小学校期の「学びの土台づくり」の重要性を痛感。
結婚を機に地方へ移住後、教育情報や環境の地域間格差を実感し、「地域に根差した実践の場をつくりたい」との想いから、幼児教室アップルキッズを開校。
発達障害や不登校の支援、放課後等デイサービスでの指導、子ども食堂での学習支援など、多様な子どもたちに寄り添う教育活動を展開中。