夜中に子どもが突然泣き叫んで起き上がり、話しかけても反応がない、抱きしめようとしても暴れる、そんな経験をして恐怖を感じた親御さんも多いのではないでしょうか。
「これは夜泣きとは違う」「病気なのでは」と不安になる気持ちはよくわかります。
夜驚症は夜泣きとは異なる状態であり、正しく知ることで必要以上に怖がらずに向き合うことができます。
夜驚症の症状・原因・対応方法を正しく理解することが、子どもと親の両方の安心につながります。
夜驚症とはどんな状態なの?
夜驚症とは、睡眠中に突然泣き叫んだり暴れたりするが、本人は目覚めておらず翌朝記憶がない、という睡眠障害の一種です。
医学的には「睡眠時驚愕症(Sleep Terror)」と呼ばれ、ノンレム睡眠(深い睡眠)の段階で脳の一部だけが中途半端に覚醒することで起きます。
夜驚症の発作中、子どもは目が開いていることが多く、泣き叫んでいるのに親の声や存在に気づかない・反応しないという特徴があります。抱きしめようとしても暴れたり、名前を呼んでも届かないように見えたりすることがあります。
発作の時間は数分から長くても15〜20分程度で、自然に終わることがほとんどです。翌朝には本人に記憶がなく、何事もなかったように目覚めます。
夜驚症は1〜8歳の子どもに多く見られ、有病率は子どもの約3〜6%と言われています。特に2〜6歳がピークとされており、成長とともに自然に改善していくことがほとんどです。
このように、夜驚症とは睡眠中に意識のないまま泣き叫んだり暴れたりする睡眠障害であり、翌朝に記憶がないことが最大の特徴です。
次の段落では、夜驚症の主な症状を詳しく解説します。
夜驚症の主な症状
夜驚症の主な症状は、就寝から1〜3時間後に突然泣き叫ぶ・目が開いているが意識がない・呼んでも反応しないという3点です。
夜泣きや悪夢と混同されやすいですが、夜驚症には特徴的な症状のパターンがあります。子どもの状態を正確に把握することが、適切な対応への第一歩になります。
夜驚症の典型的な症状
- 就寝から1〜3時間後(深い睡眠の時間帯)に突然始まる
- 目が開いている、あるいは半開きになっている
- 泣き叫ぶ・金切り声を上げる
- 体を硬直させる・激しく暴れる・ベッドの上で跳ね起きる
- 呼んでも答えない・親の存在に気づかないように見える
- 抱きしめようとしても拒絶したり暴れたりする
- 大量の汗をかく・心拍数が上がる
- 数分〜20分程度で自然に落ち着き、再び眠りにつく
- 翌朝に本人の記憶がまったくない
この中でも「翌朝に記憶がない」という点が、夜驚症を夜泣きや悪夢と区別する最も重要なポイントです。
悪夢の場合は目が覚めて怖い夢を見たと訴えることがありますが、夜驚症の場合は翌朝「何があったの?」と聞いても子どもには何も覚えていません。
夜驚症の発作は親にとって非常に怖く見えますが、子ども自身は苦痛を感じていないことがほとんどです。脳の一部だけが覚醒した状態であり、外から見えるほどの苦しさはないとされています。
このように、夜驚症の主な症状は突然の泣き叫び・意識のない状態・翌朝の記憶のなさという3点が特徴です。
次の段落では、夜驚症が起きる原因を解説します。
夜驚症が起きる原因
夜驚症が起きる主な原因は、睡眠不足・疲労の蓄積・精神的なストレス・発熱などによる睡眠の乱れです。
夜驚症は脳の睡眠段階の移行がうまくいかないことで起きますが、なぜそれが起きるかにはいくつかの要因があります。
睡眠不足・疲労の蓄積
睡眠が十分でない日や、日中に激しく活動して疲れ果てた日に夜驚症が起きやすいことがわかっています。
睡眠不足になると深いノンレム睡眠が増え、その段階での中途半端な覚醒が起きやすくなるためです。
就寝時間を一定に保ち、年齢に合った十分な睡眠時間を確保することが、夜驚症の予防につながります。
精神的なストレス・不安
入園・入学・引越し・きょうだいの誕生など、環境の大きな変化や心理的ストレスが夜驚症を引き起こすことがあります。
日中に感じた不安や緊張が睡眠中の脳に影響し、睡眠段階の移行を乱すと考えられています。
環境が変わった時期に夜驚症が増えた場合は、日中の関わりをより安心できるものにすることが予防につながります。
発熱・体調不良
発熱や体調不良のときは、睡眠のパターンが乱れやすく、夜驚症が起きやすくなります。
体調が回復すれば自然と落ち着くことがほとんどです。
遺伝的な要因
夜驚症は家族内で見られることが多く、遺伝的な傾向があることが報告されています。
親や兄弟姉妹に夜驚症の経験がある場合、子どもにも同様の傾向が出やすいことがあります。
膀胱の充満・騒音などの外部刺激
満杯の膀胱・騒音・光などの外部刺激が引き金となり、深い睡眠から中途半端に覚醒することがあります。
就寝前にトイレに行く習慣をつけること、寝室をできるだけ静かで暗い環境に整えることが予防につながります。
このように、夜驚症は睡眠不足・ストレス・体調不良・遺伝的要因などが重なって起きます。
次の段落では、夜驚症への対応方法を解説します。
夜驚症への対応方法
夜驚症への対応の基本は、無理に起こさず安全を確保しながら静かに見守り、自然に落ち着くのを待つことです。
夜驚症の発作中は子どもに意識がないため、声をかけたり抱きしめたりしても届かないことがほとんどです。むしろ刺激を与えることで発作が長引いたり、子どもがさらに混乱したりするケースがあります。
発作中の対応
無理に起こさない
夜驚症の発作中に子どもを完全に覚醒させようとしても、かえって混乱が長引くことがあります。
自然に眠りに戻るのを待つことが最善の対応です。
安全を確保する
ベッドから落ちる・家具に体をぶつけるなどの危険がないよう、周囲の安全を確保します。
子どもを抑えつけるのではなく、危険なものを遠ざけたり、落ちそうな場合はそっとベッドの中心に戻す程度にとどめます。
声かけは短く穏やかに
「大丈夫だよ、ここにいるよ」と短く穏やかに声をかけながら、近くで静かに見守ります。
大きな声で名前を呼んだり、体を強く揺さぶったりすることは避けましょう。
記録をつける
発作が起きた時間・長さ・様子をメモしておくと、受診の際に役立ちます。
夜驚症が毎晩同じ時間に起きる場合、その15〜30分前に一度軽く起こす「予定覚醒法」が有効なケースもあります。
日常の予防策
- 就寝時間を一定にして十分な睡眠を確保する
- 就寝前は静かに過ごし、刺激の少ない環境を作る
- 就寝前にトイレに行く習慣をつける
- 日中のストレスや不安をできるだけ軽減する
- 発熱・体調不良時は特に注意して様子を見る
受診を考えるタイミング
夜驚症は多くの場合、成長とともに自然に改善します。ただし以下の場合は、小児科や睡眠外来への相談を検討しましょう。
- 発作が週に数回以上・毎晩続く
- 発作の時間が30分以上と長い
- 昼間の生活に支障が出ている
- けいれんのような動きがある
- 6歳以降も改善せず頻度が増している
このように、夜驚症への対応の基本は無理に起こさず安全を確保して静かに見守ることであり、日常の睡眠環境を整えることが予防につながります。
監修

略歴
| 2017年 | 本田右志理事長より右脳記憶教育講座を指南、「JUNKK認定マスター講師」取得 |
|---|---|
| 2018年 | 幼児教室アップルキッズをリビングサロンとして開講 |
| 2020年 | 佐々木進学教室Tokiwaみらい内へ移転、「佐々木進学教室幼児部」として再スタート |
| 2025年 | 一般社団法人 日本右脳記憶教育協会(JUNKK)代表理事に就任 |



