夜驚症と夜泣きの違いとは?見分け方と対応のポイントについて

夜驚症

夜中に子どもが突然泣き出したとき、「これは夜泣きなのか、それとも夜驚症なのか」と判断がつかずに戸惑っている親御さんは多いのではないでしょうか。

見た目が似ているため混同されやすいですが、夜驚症と夜泣きはまったく異なる状態であり、対応方法も変わってきます。

夜驚症と夜泣きの違いを正しく知ることで、わが子の状態を正確に把握し、適切な対応ができるようになります。

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夜驚症と夜泣きはどう違うの?

夜驚症と夜泣きは、どちらも夜中に泣く状態ですが、原因・意識の有無・翌朝の記憶がまったく異なります。

夜泣きは、眠りが浅くなったタイミングで目が覚め、空腹・不快感・不安・さみしさなどの理由から泣く状態です。

子どもは目が覚めた状態にあり、抱っこや授乳・声かけなど親のケアに反応して落ち着いていきます。

主に生後3ヶ月〜1歳半ごろに多く見られ、睡眠リズムが未熟な時期に起きやすいものです。

夜泣きには月齢による特徴があります。生後3〜6ヶ月ごろは睡眠サイクルが大人に近づく過程で夜泣きが増えやすく、生後6〜12ヶ月ごろは後追い・分離不安・歯の生え始めが重なって夜泣きが激しくなりやすい時期です。

1歳を過ぎると言葉が増え始め、夜泣きは自然に落ち着いていく子が多くなります。

一方、夜驚症は眠りについてから1〜3時間後(深いノンレム睡眠の時間帯)に、脳が中途半端に覚醒することで起きる睡眠障害です。

子どもは目が開いていても意識がなく、親の声や抱っこに反応しません。

激しく泣き叫んだり暴れたりするにもかかわらず、翌朝に記憶がまったくないことが夜驚症の最大の特徴です。

夜泣きは「目が覚めた状態で泣く」、夜驚症は「意識がない状態で激しく反応する」という点が、最も大きな違いです。

また、夜泣きは生後間もない時期から1歳半ごろまでに多いのに対し、夜驚症は1〜8歳(2〜6歳がピーク)に多く見られます。

年齢によってどちらが起きやすいかが異なる点も、見分けのひとつの手がかりになります。

このように、夜驚症と夜泣きはどちらも夜中に泣く状態ですが、意識の有無・原因・翌朝の記憶がまったく異なります。

次の段落では、夜驚症と夜泣きを見分ける具体的なポイントを解説します。

夜驚症と夜泣きの見分け方

夜驚症と夜泣きを見分ける最も確実なポイントは、声かけや抱っこへの反応と、翌朝に記憶があるかどうかです。

夜中に突然起きた場合に判断するための具体的なポイントを整理します。

声かけ・抱っこへの反応

夜泣きの場合は、声をかけると反応があり、抱っこや授乳などのケアで落ち着いていきます。

「ここにいるよ」という親の存在を伝えることで安心し、比較的早く泣き止む場面が多いです。

夜驚症の場合は、名前を呼んでも届かず、抱きしめようとしても拒絶したり暴れたりします。

「泣き叫んでいるのに、どれだけケアをしても反応がない」という状態が続く場合は、夜驚症の可能性が高いです。

目の様子

夜泣きでは、目が開いていて親と視線が合い、「ここにいるよ」という安心感を伝えることができます。

夜驚症では、目が開いていても視点が定まっておらず、親の存在に気づいていないように見えます。

目は開いているのに「誰かが呼んでいる夢でも見ているのか」というような、焦点の合っていない目つきが夜驚症の特徴的なサインのひとつです。

泣き方の激しさ

夜泣きは、泣き声の強さは様々ですが、「困っている・訴えている」という泣き方です。

夜驚症は、金切り声を上げて叫ぶ・体を硬直させる・暴れる・汗をかくなど、夜泣きよりはるかに激しい反応が出ることが多いです。

「これは普通の泣き方ではない」と感じるほどの激しさがある場合は、夜驚症の可能性を考えることが大切です。

発生する時間帯

夜泣きは、睡眠が浅くなるタイミング(就寝から90分ごとのサイクル)に起きやすく、夜中の任意のタイミングで起きることが多いです。

夜驚症は、就寝から1〜3時間後(深いノンレム睡眠の時間帯)に起きることがほとんどです。

「毎晩だいたい同じ時間帯に起きる」「就寝後1〜2時間後に決まって起きる」という場合は、夜驚症の可能性が高いです。

翌朝の記憶

夜泣きで目が覚めた子どもは、夜中のことをある程度覚えていることがあります。

夜驚症は、翌朝に記憶がまったくないことが最大の特徴です。

「昨夜大変だったね」と話しかけても「え?何もなかったよ」という反応が返ってくる場合は、ほぼ夜驚症と判断できます。

見分けポイントの早見表

夜泣き 夜驚症
意識 あり(目覚めている) なし(眠ったまま)
声かけへの反応 反応する 反応しない
抱っこの効果 落ち着くことが多い 拒絶・暴れることが多い
目の様子 視線が合う 焦点が合わない
発生時間帯 任意 就寝1〜3時間後が多い
翌朝の記憶 あることが多い まったくない
激しさ 様々 非常に激しいことが多い
主な年齢 生後3ヶ月〜1歳半 1〜8歳(2〜6歳がピーク)

どちらかわからないときの判断フロー

「夜泣きか夜驚症かわからない」と感じたときは、以下の順番で確認することで判断の手がかりになります。

まず「声をかけたとき反応があるか」を確認します。反応があれば夜泣き、反応がなければ夜驚症の可能性が高いです。

次に「発生した時間帯」を確認します。就寝から1〜3時間後であれば夜驚症の可能性が高く、夜中の様々な時間帯に起きるなら夜泣きの可能性が高いです。

最後に「翌朝に記憶があるか」を確認します。記憶がまったくない場合は夜驚症とほぼ判断できます。

このように、夜驚症と夜泣きの見分けは、声かけへの反応・翌朝の記憶・発生時間帯を順番に確認することで判断できます。

次の段落では、それぞれの正しい対応方法を解説します。

夜驚症・夜泣きそれぞれの対応方法

夜驚症と夜泣きは原因が異なるため、対応方法もまったく違います。

夜泣きの対応を夜驚症に使っても効果がなく、夜驚症の対応を夜泣きに使っても的外れになることがあります。

それぞれの状態に合った対応を知っておくことが、親の消耗を減らすためにも大切です。

夜泣きへの対応

夜泣きへの対応は、目が覚めた子どもの不快感や不安を取り除き、安心させることが基本です。

声かけと抱っこ

「大丈夫だよ、ここにいるよ」と穏やかに声をかけながら、抱っこで安心させます。

授乳中の赤ちゃんは授乳することで落ち着くことが多いです。

原因を確認して対処する

おむつが濡れていないか、空腹ではないか、暑すぎ・寒すぎではないかを確認します。

不快の原因を取り除くことで、比較的早く落ち着くことがほとんどです。

やってはいけない対応

夜泣きのときに「泣かせておけばいい」と完全に無視することは、子どもの不安を高め夜泣きが長引く原因になることがあります。

反対に、毎回すぐに抱き上げることで「泣けば来てくれる」と学習し、夜泣きが増えるケースもあります。

「反応するが、すぐには抱き上げず少し待つ」という対応が、夜泣きを減らすひとつの方法として有効なことがあります。

夜驚症への対応

夜驚症への対応は、無理に起こさず安全を確保して静かに見守ることが基本です。

夜泣きと同じように「起こして安心させなければ」と思いがちですが、夜驚症の発作中は意識がなく、強い刺激を与えると発作が長引くことがあります。

安全を確保して静かに待つ

ベッドからの転落や家具への衝突など、けがのリスクがないかを確認します。

「大丈夫だよ」と短く穏やかに声をかけ、あとは自然に落ち着くのを静かに待ちます。

起こそうとしない・強い光をつけない

夜驚症の発作中に無理に起こそうとすると、混乱が長引くことがあります。

明るい照明も脳の覚醒を促し、発作が長引く原因になります。暗いまま静かに対応することが基本です。

やってはいけない対応

大きな声で名前を呼ぶ・体を強く揺さぶる・力ずくで抱きしめるなどの行為は、発作をさらに激しくさせる原因になります。

翌朝に「昨夜大変だったね」と話すことも、子どもに不必要な不安を与えるため避けましょう。

このように、夜驚症と夜泣きへの対応はまったく異なり、それぞれの状態に合った方法を使い分けることが大切です。

次の段落では、夜驚症・夜泣きを繰り返さないための予防策を解説します。

夜驚症・夜泣きを繰り返さないための予防策

夜驚症・夜泣きどちらも、睡眠環境と生活リズムを整えることが繰り返しを防ぐための基本です。

原因は異なりますが、睡眠の質を高めるという点では共通した予防策が有効になります。

両方に共通する予防策

就寝時間を一定にする

毎日同じ時間に寝かせることで、脳と体の睡眠リズムが安定し、夜泣き・夜驚症どちらも起きにくくなります。

年齢に合った十分な睡眠時間を確保することが、最も基本的な予防策です。

1〜2歳は11〜14時間、3〜5歳は10〜13時間が目安の睡眠時間です。

就寝前のルーティンを作る

お風呂→授乳または牛乳→絵本→消灯という流れを毎日一定にすることで、脳が「眠る時間」を認識しやすくなります。

就寝前1時間はテレビ・スマートフォン・激しい遊びを避け、静かに過ごすことが大切です。

寝室環境を整える

寝室をできるだけ暗く・静かに・快適な温度に保つことで、睡眠の質が上がります。

音や光など外部の刺激が睡眠を妨げていないか見直すことが、両方の予防につながります。

日中の安心感を育てる

スキンシップ・一緒に遊ぶ時間・子どもの話を聞くことなど、日中の安心感を積み重ねることが夜の睡眠の安定につながります。

夜驚症の予防に特に有効なこと

睡眠不足・過疲労・ストレスが夜驚症の主な引き金であるため、激しい外出の翌日は就寝時間を早めることが有効です。

日中のストレスを帰宅後に発散させる時間(おやつタイム・スキンシップの時間)を意識して確保することが、夜驚症の予防につながります。

夜泣きの予防に特に有効なこと

空腹・不快感・分離不安が夜泣きの主な原因であるため、就寝前の授乳・おむつ替え・十分なスキンシップを確実に行うことが予防につながります。

夜泣きは成長とともに自然に減っていくものであり、「いつか必ず落ち着く」と知っておくことが、親自身の心の余裕につながります。

夜驚症・夜泣きどちらも、睡眠環境と生活リズムを整えることが繰り返しを防ぐための最も効果的なアプローチです。

監修

代表理事
佐々木知香

略歴

2017年 本田右志理事長より右脳記憶教育講座を指南、「JUNKK認定マスター講師」取得
2018年 幼児教室アップルキッズをリビングサロンとして開講
2020年 佐々木進学教室Tokiwaみらい内へ移転、「佐々木進学教室幼児部」として再スタート
2025年 一般社団法人 日本右脳記憶教育協会(JUNKK)代表理事に就任
塾講師として中高生の学習指導に長年携わる中で、幼児期・小学校期の「学びの土台づくり」の重要性を痛感。
結婚を機に地方へ移住後、教育情報や環境の地域間格差を実感し、「地域に根差した実践の場をつくりたい」との想いから、幼児教室アップルキッズを開校。
発達障害や不登校の支援、放課後等デイサービスでの指導、子ども食堂での学習支援など、多様な子どもたちに寄り添う教育活動を展開中。