「まだ言葉が出ない」「同じ月齢の子はもう話しているのに」と不安を感じているお父さん・お母さんも多いと思います。
1歳という時期は言葉が遅いと感じやすいですが、個人差が非常に大きく焦る必要がないケースがほとんどです。
ただ、言葉が遅い原因を知り適切な関わりをすることで、言語発達を大きく後押しできます。
この記事では、原因・月齢別の目安・1歳半健診のポイント・今日からできる関わり方を脳科学の視点からわかりやすく解説します。
1歳で言葉が遅いのはなぜ?
1歳で言葉が遅い原因には、環境・気質によるものと、発達・身体的な要因によるものの2つがあります。
1歳という時期は、言葉の発達において個人差が最も大きい時期のひとつです。
厚生労働省の乳幼児身体発育調査によると、1歳6〜7か月の子の94.7%が単語を話しています。
裏を返せば、1歳6〜7か月時点でも約5%の子はまだ単語が出ておらず、それでも多くのケースで発達の経過を見ながら追いつくことができます。
1歳で言葉が遅い原因は、大きく以下の2つに分けられます。
- 環境・気質による遅れ:声かけの量が少ない・先回り対応・テレビの長時間視聴・内向的な気質など
- 発達・身体的な要因による遅れ:聴覚の問題・単純性言語遅滞・発達特性など
この時期は環境による遅れが原因であることが多いです。
日常の関わり方を変えるだけで発語が促されるケースも多く、まず環境を見直すことが第一ステップです。
一方、聴覚や発達に関わる要因がある場合は、早期に気づいて対応することが言語発達を大きく左右します。
子どもの脳は0歳〜6歳の間に神経系の約90%が完成するといわれており、特に3歳までに約80%が完成します。
1歳という時期の関わりの質と量が、言語発達の土台をつくります。
「もう少し様子を見よう」と思いながら時間が経ってしまうことが、最も避けたい状況です。
このように、1歳で言葉が遅い原因には、環境・気質によるものと、発達・身体的な要因によるものの2つがあります。
次の段落では、1歳前半と後半の発達目安の違いを詳しく解説します。
1歳前半と後半で発達目安はどう違う?
1歳前半と1歳後半では発達の目安が大きく異なるため、月齢ごとに分けて確認することが大切です。
「1歳で言葉が遅い」という判断は、月齢によって大きく変わります。
1歳前半(1歳0か月〜1歳5か月)の目安
| 発達項目 | 目安の様子 |
|---|---|
| 発語 | 「まま」「わんわん」など意味のある一語文が出始める |
| 理解力 | 「ちょうだい」「バイバイ」などの言葉を理解して行動する |
| 指差し | 興味のあるものを指で示す |
| 視線 | 目が合う・こちらの反応を確認する |
| 模倣 | 大人の動作や口の形を真似しようとする |
1歳前半の時点では、まだ一語文が出ていなくても焦る必要はありません。
ただし、指差し・視線・理解力・模倣の4点は言語発達の重要な前段階のサインです。
発語がなくてもこの4点が育っていれば、言葉はまもなく出てくる可能性が高いです。
1歳後半(1歳6か月〜1歳11か月)の目安
| 発達項目 | 目安の様子 |
|---|---|
| 発語 | 意味のある単語が5語以上ある |
| 語彙の増加 | 使える言葉が少しずつ増えている |
| 二語文の兆し | 「まま、いた」など2語をつなげようとする |
| 指差し | 欲しいもの・見てほしいものを指差しで伝える |
| 理解力 | 「新聞を持ってきて」など簡単な2ステップの指示に従える |
1歳6か月頃には意味のある言葉を5つ以上話すようになるのが目安とされています。
この時点で一語文がまったく出ていない・指差しがないという場合は、保健師や専門家への相談を検討しましょう。
1歳半健診で見られるポイント
1歳半健診は、言語発達の早期発見において非常に重要なタイミングです。
以下の4点が主な確認項目となっています。
- 周囲の人とコミュニケーションが取れるか
- 視線が合うか・声がけに反応するか
- 共感や応答する姿が見られるか
- 意味のある言葉が出ているか・指差しができるか
健診前に気になることがあれば、健診を待たず保健センターに相談することをおすすめします。
このように、1歳前半と1歳後半では発達の目安が大きく異なるため、月齢ごとに分けて確認することが大切です。
次の段落では、1歳で言葉が遅い場合に心配なサインを解説します。
1歳で言葉が遅い場合に心配なサインとは
1歳で言葉が遅い場合に心配すべきかどうかは、発語の遅れだけでなく指差し・視線・理解力などを合わせて確認することで判断できます。
以下のチェックリストで確認してみましょう。
問題ない可能性が高いサイン
- 目が合う・こちらの反応を確認する
- 指差しで気持ちや要求を伝えようとする
- 名前を呼ぶと振り向く
- 「ちょうだい」「バイバイ」などの言葉を理解して行動できる
- 身振り・表情・声でコミュニケーションをとろうとする
- 人や周囲への興味・好奇心がある
これらが揃っていれば、言語の理解力は育っており「今はインプットを蓄積している段階」である可能性が高いです。
発語がまだ出ていなくても、これらのサインが揃っている場合は焦らず関わりを続けることが大切です。
専門家への相談を検討すべきサイン
以下に一つでも当てはまる場合は、かかりつけ小児科または保健センターへの相談をおすすめします。
- 1歳半を過ぎても指差しがない
- 名前を呼んでも振り向かないことが多い
- 言葉の指示に反応しない・理解が乏しい
- 目が合いにくい・人への関心が薄い
- 一度出た言葉が突然使われなくなった
- 音や声への反応が薄い
特に「一度出た言葉が突然使われなくなる」退行は、ASDのサインとして重要視されます。
聴力に不安がある場合は、耳鼻科での聴力検査も受けてみましょう。
1歳という時期の聴力の問題は見逃されやすく、早期発見が言語発達への支援を大きく変えます。
このように、1歳で言葉が遅い場合に心配すべきかどうかは、発語の遅れだけでなく指差し・視線・理解力などを合わせて確認することで判断できます。
次の段落では、今日からできる具体的な関わり方を解説します。
1歳で言葉が遅いときに今日からできる関わり方
1歳で言葉が遅いときの関わり方は、日常の声かけと遊びの中で言語インプットの量を増やすことが最優先です。
右脳教育の観点では、言葉は「大量のインプット→蓄積→出力」という流れで発達します。
1歳という時期は特にインプットの量が後の語彙力・発語力に直結するため、今日からの関わりが最大の投資になります。
マザリーズ(ペアレンティーズ)で話しかける
マザリーズとは、赤ちゃんや幼児に話しかけるときに自然と使うゆっくり・高め・やさしいトーンの話し方です。
マザリーズで話しかけられた赤ちゃんは、1歳半になったときにそうでない子に比べて約2倍の言葉を話したという研究結果があります。
意識してゆっくり・はっきり・やさしいトーンで話しかけることが、1歳の言語発達に直結します。
子どもが夢中になっているときに声をかけること、繰り返し同じ言葉を使うことがポイントです。
行動を実況する声かけ
子どもが何かをしているとき、「ごはんを食べてるね」「ボールを投げたね」とその行動をそのまま言葉にしましょう。
言葉は「聞かせる量」に比例して育つため、意識的に声をかけ続けることが重要です。
答えられなくても構いません。
聞かせ続けることが目的です。
絵本の読み聞かせを毎日繰り返す
絵本はイラストと言葉を同時にインプットできる最良の教材です。
右脳はイメージで情報を処理するため、絵と言葉がセットになった絵本は語彙の定着を促します。
1歳向けには文字数が少ないもの・仕掛け絵本・繰り返しのリズムがあるものが特に効果的です。
同じ絵本を毎日繰り返し読むことが、言葉の定着に非常に有効です。
歌・手遊び・わらべ歌を取り入れる
童謡や手遊び歌は、音のパターンと意味を楽しみながら繰り返せるため、発語を自然に促します。
手遊びやわらべ歌遊びは言葉の発達を促すのに非常に効果的とされています。
動作と言葉が結びつくことで理解が深まり、「楽しい」という前向きな気持ちが言葉を話すきっかけになります。
フラッシュカードで語彙をインプットする
フラッシュカードは右脳の瞬間記憶を活用した言語インプット法です。
1枚1〜2秒のスピードで絵と言葉がセットになったカードを見せるだけで、右脳に大量の語彙が入力されます。
「言えたか確認する」のではなく「とにかく見せ続ける」インプット優先の姿勢が大切です。
2択で選ばせる場面をつくる
「りんごとバナナ、どっちがいい?」と2つから選ばせる場面を意識的につくりましょう。
選ぶ・比べるという行為が概念理解を深め、語彙の広がりと言葉を使いたい気持ちにつながります。
最初は指差しで答えるだけでも十分です。
スキンシップで安心の土台をつくる
子どもが安心できる環境があってはじめて、言葉は育ちます。
脳幹(生命の座)が安定することで脳全体がリラックスし、言語回路が働きやすくなります。
抱っこ・目を合わせる・やさしく名前を呼ぶといった日常のスキンシップを大切にしましょう。
「話したい」という気持ちは、安心できる相手がいるからこそ育まれます。
このように、1歳で言葉が遅いときの関わり方は、日常の声かけと遊びの中で言語インプットの量を増やすことが最優先です。
次の段落では、やってはいけない関わり方を解説します。
1歳で言葉が遅いときにやってはいけないこと
1歳で言葉が遅いときは、発音の指摘・急かす・先回り代弁・テレビの長時間視聴が言語発達の妨げになります。
これらは意識せずやってしまいがちなため、日常の関わりを振り返るきっかけにしてください。
発音の間違いをすぐ指摘する
「わんわん」を「いぬ」と言い直させることを繰り返すと、子どもは「間違えたら怒られる」と感じ、話すことをやめてしまいます。
発音の正確さより「言葉を使おうとする気持ち」を大切にしましょう。
正しい発音は成長とともに自然に整ってきます。
言葉を急かす・プレッシャーをかける
「早く言って」「なんで言えないの」という言葉は、子どもの安心感を奪います。
脳幹の安定=安心感が言語発達の土台であるため、焦りを見せることは逆効果です。
どっしりと構えて関わることが最も大切な親の姿勢です。
先回りして言ってしまう
子どもが言葉を探しているとき、親が先に言ってしまうことで「言わなくてもいい」と学習します。
少し待って、子どもが言葉を出そうとする間を大切にしましょう。
この「待つ」時間が、発語の最大の練習になります。
テレビ・動画を長時間流しっぱなしにする
テレビや動画からの音声は一方通行であり、「言葉を使って伝えたい」という双方向のコミュニケーションにはなりません。
視聴時間を区切り、親子で会話する時間を確保しましょう。
他の子と比べて不安を見せる
親の不安や焦りは子どもに伝わります。
「今は入力の時期」と捉え、どっしり構えることが言葉の発達を支える土台になります。
このように、1歳で言葉が遅いときは、発音の指摘・急かす・先回り代弁・テレビの長時間視聴が言語発達の妨げになります。
次の段落では、専門家に相談すべきタイミングを解説します。
1歳で言葉が遅い場合に専門家に相談すべきサインとは
1歳で言葉が遅い場合に専門家への相談を検討すべきサインは、発語の遅れに加えて指差しがない・目が合いにくい・名前への反応が薄いといった状態が重なることです。
「動くのが早すぎる」ということはありません。
相談して「問題なかった」とわかれば安心でき、何か見つかれば早期に支援につながれます。
相談先の選び方
| 相談先 | 向いているケース |
|---|---|
| 地域の保健センター | まず最初の相談窓口として。1歳半健診の前でも相談できる |
| かかりつけ小児科 | 発達全体の評価・専門機関への紹介を受けられる |
| 耳鼻科 | 音への反応が薄い・聴力が心配な場合 |
| 発達支援センター | 発達全体に心配がある場合。診断前でも相談可能 |
「1歳半健診まで待とう」と思いがちですが、気になった時点で保健センターに相談することができます。
早く相談するほど、必要な場合のサポートも早く始めることができます。
相談時に伝えると役立つ情報
- 現在の月齢
- 話せる言葉の数と内容
- 指差しの有無
- 名前を呼んだときの反応
- 音・声への反応の様子
- 気になり始めた時期
- 日常の様子を撮影した動画
このように、1歳で言葉が遅い場合に専門家への相談を検討すべきサインは、発語の遅れに加えて指差しがない・目が合いにくい・名前への反応が薄いといった状態が重なることです。
監修

略歴
| 2017年 | 本田右志理事長より右脳記憶教育講座を指南、「JUNKK認定マスター講師」取得 |
|---|---|
| 2018年 | 幼児教室アップルキッズをリビングサロンとして開講 |
| 2020年 | 佐々木進学教室Tokiwaみらい内へ移転、「佐々木進学教室幼児部」として再スタート |
| 2025年 | 一般社団法人 日本右脳記憶教育協会(JUNKK)代表理事に就任 |



