子どもの「考える力」を育てるには?できることを増やすだけが教育のゴールではない理由

非認知能力

子どもの「考える力」を育てるために大切なのは、できることを増やすだけではなく、自分で考え、試し、学ぶ経験を積み重ねることです。

子どもの成長を見るとき、私たちはつい「何ができるようになったか」に目を向けます。

  • 文字が読めるようになった
  • 計算ができるようになった
  • 先生の指示を聞いて行動できるようになった
  • 一人で身支度ができるようになった

もちろん、できることが増えていくのは大切な成長です。しかし、子どもの将来まで考えたとき、教育のゴールはそれだけなのでしょうか。

これから子どもたちが成長していく中では、誰かから教えてもらった正解を覚えるだけでは答えが出ないことにも、たくさん出会います。そんなときに必要になるのが、次のような力です。

  • 自分で考える力
  • 自分から学ぼうとする力
  • 好奇心を持って試してみる力
  • 失敗しても試行錯誤する力
  • もう一度挑戦する力

こうした力は、学力テストなどでは見えにくい「非認知能力」とも深く関わっています。今できることの数を増やすだけではなく、子どもが自分で考え、学び、これから先も伸び続けられる土台をつくること。それも教育の大切な役割なのです。

子どもの考える力を育てるなら「できる・できない」だけを見ない

子どもの考える力を育てるためには、「できたか、できなかったか」という結果だけでなく、その途中の過程を見ることが大切です。

例えば、積み木で遊んでいる子どもを想像してみてください。

大人から見ると、「そこに置いたら崩れるのに」と分かる場所に、子どもが積み木を置こうとしているとします。そこで大人が、「そこじゃないよ」「こっちに置いたら倒れないよ」と正しい置き方を教えれば、積み木は早く完成しますし、子どもも失敗しなくて済みます。

でも、その子はその瞬間、「ここに置いたらどうなるんだろう?」「どうしたら倒れないかな?」「こっち向きなら大丈夫かな?」と、自分で考えている途中かもしれません。

実際に置いてみて崩れたら、「じゃあ次はどうしよう」と考えます。向きを変えてみる。別の積み木を使ってみる。下を広くしてみる。こうした一つひとつの行動が「試行錯誤」です。

完成までの時間だけを見れば、少し遠回りに見えるかもしれません。しかし、その遠回りの中では、考える、試す、失敗する、工夫する、もう一度挑戦するという、とても大切な学びが起きています。

つまり、早く正解にたどり着くことと、子どもの考える力が育つことは、必ずしも同じではありません。

子どもの「できる・できない」だけを見るのではなく、その途中で何を考え、どんな工夫をしているのかを見ることが大切です。

自分で考える子を育てるために、大人が「待つ」ことも教育

自分で考える子を育てるためには、大人がすぐに答えを教えず、子どもが考える時間を待つことも必要です。

子どもが困っている姿を見ると、大人はつい助けたくなります。「こうしたらいいよ」「これはこうするんだよ」「違うよ、こっち」と、先回りして教えたくなることもあるでしょう。

もちろん、本当に困っているときには手助けが必要です。しかし、大人がいつも答えを先に渡してしまうと、子どもが自分で考える機会は少なくなります。

だからこそ、ときには、「どうしたらいいと思う?」「ほかの方法もあるかな?」「なんでこうなったんだろう?」「もう一回やるなら、どうしてみる?」と、答えの代わりに「問い」を渡してみます。

大人にはすぐ分かることであっても、子どもにとっては一つひとつが新しい発見です。自分で考えて、自分で試して、「あ、できた!」と気づいた経験は、単に正解を教えてもらったときとは違うものを子どもの中に残します。それは、「自分で考えたらできた」という感覚です。

この小さな経験の積み重ねが、自信や自己肯定感につながり、さらに次の挑戦へ向かう力になります。

だからこそ、教育には次の両方が必要なのではないでしょうか。

教えることと同時に、待つこと。
正解を伝えることと同時に、問いを渡すこと。

子どもの主体性を伸ばすには「やってみたい」を大切にする

子どもの主体性を伸ばす出発点になるのは、「やってみたい」「もっと知りたい」という好奇心です。

幼い子どもは、本来とても好奇心が旺盛です。「これなに?」「なんで?」「やってみたい!」「もう一回!」毎日の生活の中でも、こうした言葉を何度も耳にするのではないでしょうか。

この「知りたい」「やってみたい」という気持ちは、自分から学ぶ力の原点です。

例えば虫が好きな子であれば、虫の名前を知りたくなる。どこに住んでいるのか調べたくなる。図鑑を開く。文字を読んでみたくなる。何匹いるのか数えてみる。絵に描いてみる。というように、一つの興味からさまざまな学びへと広がっていきます。

「勉強しなさい」と言われて始めた学びではありません。「知りたい」という自分自身の気持ちから始まった学びです。自分から学び続ける子を育てるためには、この好奇心を大切にする必要があります。

大人がすべてを教えるのではなく、「どうしてだと思う?」「調べてみる?」「やってみようか」と、一緒に面白がってみる。そうすることで、子どもの主体性や学ぶ意欲は育っていきます。

非認知能力は「できること」の外側にもある

子どもの成長には、読み書きや計算など目に見えやすい力だけでなく、数値では測りにくい非認知能力も大きく関わっています。

例えば、次のような力です。

  • 好奇心
  • 集中力
  • 粘り強さ
  • 自己肯定感
  • 主体性
  • 思いやり
  • 挑戦する力
  • 感情をコントロールする力
  • 試行錯誤する力

こうした力は「何点取れたか」「何歳で何ができるようになったか」といった数字だけでは捉えにくいものです。しかし、新しいことを学ぶときにも、人と関わるときにも、困難に出会ったときにも必要になります。

そのため、子どもの教育を考えるときには、「これができるようになった」という目に見える成果と同時に、次のような姿にも目を向けたいものです。

  • 前より長く集中していた
  • うまくいかなくても、もう一回挑戦した
  • 自分から調べようとしていた
  • 違う方法を考えていた

結果だけではなく、そこへ向かう過程を見る。そこに、その子のこれからを支える大切な力が表れています。

失敗を避けるより「失敗から学ぶ力」を育てる

子どもが将来、自分で考えて行動するためには、失敗しないことよりも、失敗したあとにどうするかを学ぶことが大切です。

親や先生は、できれば子どもに失敗してほしくないと思います。困ってほしくない。傷ついてほしくない。なるべく成功してほしい。それは、子どもを大切に思っているからこその自然な気持ちです。

けれど、子どもの人生から失敗をすべてなくしてあげることはできません。勉強でも、仕事でも、人間関係でも、思った通りにならないこと、頑張ってもうまくいかないこと、答えが一つではないこと、自分で決めなければならないことに何度も出会います。

そんなときに必要なのは、「失敗しない力」だけではありません。「うまくいかなかった。じゃあ、次はどうしよう」と考えられる力です。

幼い頃から、やってみる。失敗する。考える。工夫する。もう一度やってみる。という小さな試行錯誤を繰り返すことで、子どもは少しずつ、「失敗しても、また考えればいい」と学んでいきます。

失敗は「できなかった証拠」ではなく、次の方法を考えるための材料になります。

「教えてもらう子」から「自分で学ぶ子」へ

教育で本当に育てたいのは、大人がいなくても自分で考え、自分で学び続けられる力です。

今、文字が読める。今、計算ができる。今、言われたことをきちんとできる。それももちろん大切です。しかし、子どもの人生はその先も長く続いていきます。

新しいことに出会ったとき、「分からないからやめる」ではなく、「どうしたら分かるだろう」と考えられる。難しいことに出会ったとき、「できない」で終わるのではなく、「今はまだできないけれど、やってみよう」と思える。知らないことに出会ったとき、「誰か教えて」だけではなく、「自分で調べてみよう」と動ける。

こうした「自分で学ぶ力」があれば、環境が変わっても、新しいことに出会っても、子どもは自分自身を成長させていくことができます。

大人が子どもに渡すことのできるものの中で、とても大切なのは、答えそのものではなく、答えを見つけていく力なのではないでしょうか。

子どもの考える力を伸ばす親・先生の関わり方

子どもの考える力や主体性を伸ばすために、特別な教材が必要なわけではありません。

日々の生活の中で、大人の関わり方を少し変えることから始められます。検索から来てくださった方にも、今日からすぐに試せる関わり方を紹介します。

  • 子どもが考えているときに、すぐ答えを言わず少し待ってみる
  • 「どうしたらいいと思う?」と問いかけてみる
  • 「どうしてそう思ったの?」と子どもの考えを聞いてみる
  • 結果だけでなく、工夫したことや挑戦したことを認める
  • 「もう一回やってみたね」など、過程を言葉にして伝える

こうした日常の積み重ねが、子どもの中に「自分で考えていい」「失敗してもいい」「やってみていい」という安心感をつくります。その安心感が、主体性や好奇心、自己肯定感、自分で学ぶ力へとつながっていきます。

JUNKKが大切にする「自分で考え、学び、伸び続ける力」

JUNKKでは、子どもの「できる・できない」だけで成長を判断するのではなく、その子の中にある力を引き出すことを大切にしています。

例えば、次のような力です。

  • 感性
  • イメージする力
  • 記憶力
  • 集中力
  • 好奇心
  • 自己肯定感
  • 考える力
  • 試行錯誤する力
  • 挑戦する力
  • 人を思いやる力

こうした力は、すぐに数字として表れるものではありません。それでも、子どもがこれから長い人生を歩いていくための大切な土台になります。

だからこそ、「何歳で何ができるようになったか」だけを見るのではなく、その子は何に興味を持っているのか、何を一生懸命考えているのか、何度も挑戦していることは何なのか、どんな瞬間に目を輝かせているのか。そんな子どもの姿を丁寧に見ることを大切にしています。

教育とは、大人が子どもを決められた形にすることではありません。その子の中にすでにある力が伸びていくための環境をつくること。そして、「できる子」にするだけではなく、「自分で考え、学び、伸び続けられる子」を育てること。それが、私たちJUNKKが大切にしている教育です。

できる子から、自分で考え・学び・伸び続ける子へ。

監修

代表理事
佐々木知香

略歴

2017年 本田右志理事長より右脳記憶教育講座を指南、「JUNKK認定マスター講師」取得
2018年 幼児教室アップルキッズをリビングサロンとして開講
2020年 佐々木進学教室Tokiwaみらい内へ移転、「佐々木進学教室幼児部」として再スタート
2025年 一般社団法人 日本右脳記憶教育協会(JUNKK)代表理事に就任
塾講師として中高生の学習指導に長年携わる中で、幼児期・小学校期の「学びの土台づくり」の重要性を痛感。
結婚を機に地方へ移住後、教育情報や環境の地域間格差を実感し、「地域に根差した実践の場をつくりたい」との想いから、幼児教室アップルキッズを開校。
発達障害や不登校の支援、放課後等デイサービスでの指導、子ども食堂での学習支援など、多様な子どもたちに寄り添う教育活動を展開中。