夜中に子どもが突然泣き叫び、抱きしめようとしても暴れる、名前を呼んでも届かない。
そんな夜驚症の発作に、どう対応すればいいのかわからず戸惑っている親御さんは多いのではないでしょうか。
正しい対応を知らないまま対処すると、発作が長引いたり子どもの混乱が強まったりすることがあります。
夜驚症の正しい対応方法を知ることが、子どもを守り、親自身の不安を減らす第一歩になります。
夜驚症の対応で最初にすべきことは?
夜驚症の発作が起きたとき最初にすべきことは、無理に起こそうとせず安全を確保して静かに見守ることです。
多くの親が「起こして安心させなければ」「抱きしめてあげなければ」と思うのは自然なことです。しかし夜驚症の発作中、子どもの脳は深い眠りから完全には覚醒しておらず、外からの刺激を正確に処理できない状態にあります。
強い声かけ・強い光・体を揺さぶるなどの刺激を与えると、脳がさらに混乱して発作が長引くことがあります。
まず「危険なものがないか」だけを素早く確認し、安全な環境が整っていれば、あとは静かに近くにいるだけで十分です。
発作は数分から長くても20分程度で自然に終わります。「何もしないで見ているだけでいいのか」と思うかもしれませんが、静かに見守ることが最も有効な対応です。
このように、夜驚症の発作で最初にすべきことは安全確保と静かな見守りであり、無理に起こしたり強い刺激を与えたりしないことが基本です。
次の段落では、発作中の正しい対応方法を詳しく解説します。
発作中の正しい対応方法
夜驚症の発作中の正しい対応は、安全確保・最小限の声かけ・落ち着くまで静かに待つという3ステップです。
発作中の対応を間違えると発作が長引いたり、子どもが完全に目を覚ましてしまい再び眠れなくなったりすることがあります。以下の流れを覚えておくことで、慌てずに対応できます。
発作中の対応ステップ
ステップ1:安全を確保する
ベッドからの転落・家具への衝突・物を投げることによるけがのリスクがないかを素早く確認します。
危険なものを遠ざけたり、ベッドの端に寄っている場合はそっと中心に戻したりするだけで十分です。
強く抑えつけたり、無理に動きを止めようとしたりすることは避けましょう。
ステップ2:声かけは短く穏やかに
「大丈夫だよ」「ここにいるよ」と短く穏やかに一言だけかけます。
大きな声で名前を呼んだり、「起きて」「しっかりして」と繰り返したりすることは避けます。声かけの内容よりも、穏やかなトーンで近くにいることが子どもの脳に安心感を伝えます。
ステップ3:落ち着くまで静かに待つ
感情の嵐には必ずピークと終わりがあります。静かに近くにいながら、自然に落ち着くのを待ちます。
照明はつけないか、つけるとしても最小限の暗さにします。明るい光は覚醒を促し、発作が長引く原因になることがあります。
ステップ4:再び眠りにつくのを見守る
発作が収まると、多くの場合そのまま眠りに戻ります。眠りに戻ったことを確認したら、そっとその場を離れます。
ステップ5:翌朝は特に触れない
翌朝、子どもに「昨夜大変だったね」と話すことは基本的に不要です。子どもに記憶はなく、親の不安そうな様子が逆に子どもの不安を高めることがあります。
やってはいけない対応
- 強い光をつける
- 大きな声で名前を呼ぶ・体を強く揺さぶる
- 完全に起こそうとする
- 抱きしめようと力ずくで引き寄せる(暴れている場合は危険)
- 翌朝に発作のことを詳しく問いただす
発作中の正しい対応は安全確保・穏やかな声かけ・静かに待つという3ステップであり、余計な刺激を与えないことが最も重要です。
次の段落では、夜驚症を繰り返さないための日常の工夫を解説します。
夜驚症を繰り返さないための日常の工夫
夜驚症を繰り返さないためには、十分な睡眠の確保・就寝前の環境づくり・日中のストレス軽減という3つを日常的に整えることが基本です。
発作が起きてから対応するだけでなく、日常の中で夜驚症が起きにくい状態を作ることが、根本的な予防になります。
十分な睡眠を確保する
睡眠不足は夜驚症の最大の引き金のひとつです。
就寝時間を毎日一定にして、年齢に合った睡眠時間を確保することが最も基本的な予防策になります。
1〜2歳は11〜14時間、3〜5歳は10〜13時間、6〜12歳は9〜11時間が目安の睡眠時間です。
夜驚症が多い時期は、いつもより30分早く就寝させるだけで改善するケースも多くあります。
就寝前のルーティンを整える
毎日同じ流れで就寝準備をすることで、脳が「眠る時間」を認識しやすくなり、睡眠の質が上がります。
お風呂→歯磨き→絵本や静かな遊び→消灯という流れを一定にすることが有効です。
就寝前1時間は、テレビ・スマートフォン・激しい遊びなど脳を興奮させる刺激を避けることも大切です。
寝室の環境を整える
寝室をできるだけ暗く・静かに・快適な温度に保つことで、睡眠の質が上がり夜驚症が起きにくくなります。
音や光が気になる場合は、遮光カーテンや耳栓、ホワイトノイズマシンなどを活用することも検討しましょう。
日中のストレスを軽減する
精神的なストレス・不安・環境の変化が夜驚症の引き金になることがあります。
入園・入学・引越しなど環境が変わった時期には、日中の関わりをより安心できるものにすることが予防につながります。
帰宅後のリセット時間を作る、就寝前に今日の出来事を穏やかに話す時間を持つなど、日中の感情の発散を意識することが大切です。
就寝前にトイレに行く習慣をつける
膀胱が満杯の状態は夜驚症の引き金になることがあります。
就寝直前にトイレに行くことを習慣にするだけで、夜驚症の頻度が下がるケースがあります。
予定覚醒法を試す
夜驚症が毎晩ほぼ同じ時間に起きる場合、発作が始まる15〜30分前に一度軽く起こす「予定覚醒法」が有効なことがあります。
完全に目を覚まさせる必要はなく、少し意識が戻った状態にするだけで、その後の深い睡眠段階への移行がスムーズになり発作が起きにくくなります。
ただし、この方法は連続して1〜4週間ほど続ける必要があり、小児科や睡眠外来の指導のもとで行うことが望ましいです。
夜驚症を繰り返さないためには、十分な睡眠・就寝前の環境・日中のストレス軽減という3つを日常的に整えることが基本です。
次の段落では、病院に相談するタイミングを解説します。
病院に相談するタイミング
夜驚症は成長とともに自然に改善することがほとんどですが、以下の状態が続く場合は小児科や睡眠外来への相談が必要です。
「様子を見ていれば治る」と思いがちですが、医療の視点から確認すべきケースも存在します。受診の目安を知っておくことで、適切なタイミングで相談できます。
受診を検討するサイン
- 発作が週3回以上・ほぼ毎晩続いている
- 発作の時間が30分以上と長い
- 発作中にけいれんのような動きがある
- 発作後に完全に目が覚めて再び眠れない
- 日中の眠気・集中力の低下など生活への支障が出ている
- 6歳以降も頻繁に続いており改善しない
- 発達特性(感覚過敏・コミュニケーションの困難など)を伴っている
特に「けいれんのような動きがある」場合は、てんかんとの鑑別が必要なため、早めに受診することが大切です。
相談できる主な窓口
- かかりつけの小児科
- 睡眠外来・神経内科
- 発達外来(発達特性が疑われる場合)
- 地域の子育て支援センター・保健センター
受診の際は、発作の頻度・時間帯・持続時間・様子をメモしておくと診断の助けになります。可能であれば発作中の動画を撮影しておくことで、医師が状態を正確に判断しやすくなります。
このように、夜驚症が頻繁に続く・発作が長い・けいれんを伴うなどの場合は、早めに専門家へ相談することがその子のためになります。
監修

略歴
| 2017年 | 本田右志理事長より右脳記憶教育講座を指南、「JUNKK認定マスター講師」取得 |
|---|---|
| 2018年 | 幼児教室アップルキッズをリビングサロンとして開講 |
| 2020年 | 佐々木進学教室Tokiwaみらい内へ移転、「佐々木進学教室幼児部」として再スタート |
| 2025年 | 一般社団法人 日本右脳記憶教育協会(JUNKK)代表理事に就任 |



